~医農地(いのち)をつなげて未来をつくる~

持続可能な農業に適した水稲品種の育成


 

持続可能な農業に適した水稲品種の育成

 

現代の品種(種)は、化学肥料や化学農薬の使用を前提として育成されており、必ずしも自然農法(少肥・無肥)など持続可能な農業には適していません。 実際、自然農法でお米を生産する場合、慣行農法に比べて1~2割収量が減少することが多いのが現状です。

 

一方、地球規模では持続可能な開発目標(SDGs)や日本においては農林水産省によるみどりの食料システム戦略が打ち出されるなど、食料生産と地球環境保全の両立が現在大きな課題となっています。

 

私たちは、2005年(平成17年)より静岡大学名誉教授の中井弘和先生の協力をいただき大仁農場にて異なる品種を交配し、2008年(平成20年)からは、全国各地で自然農法生産者の協力をいただき選抜試験を行い、自然農法に適した水稲品種の育成を行ってきました。

 

【育種目標】として、以下を目指して取り組んで来ました。
・低栄養(小肥)でも収量が安定的に確保される。
・病害虫に強い。
・食味値が高い。
・健康によい。(あっさり目の食感)

 

【取り組みの経過】
2005年:交配(大仁農場)
2007年:系統選抜
2008~2011年:全国展開
2012年~現在:適応性試験(下記の各地にて)

 

【主な育成協力農家・普及会・農場】
北海道:水野農園(夕張郡由仁町)、名寄農場(名寄市)
秋 田:佐藤農園(横手市)
宮 城:若生農園(仙台市)
福 島:八巻農園(安達郡大玉村)
栃 木:那須黒羽営農研究会(大田原市)
新 潟:関農園(三条市)、北野農園(佐渡市)
石 川:得能農園(河北郡津幡町)
京 都:福知山農場(福知山市)
鳥 取:八坂農場(鳥取市)
岡 山:横畑農園(小田郡矢掛町)
熊 本:自然農法湯前普及会、椎葉農園(球磨郡湯前町)
沖 縄:大宜味農場(国頭郡大宜味村)

 

【新品種米第1号「くまみのり」が登録される】
・令和4年12月に新品種「くまみのり」の登録が完了
・親は、明治時代の代表品種「旭」と「亀の尾」
・育成地は、熊本県南部にある豊かな緑と水に恵まれた球磨郡湯前町
・自然農法稲作実施農家の視点で選抜された
・「くまみのり」の名前は、育成場所が熊本県球磨(くま)郡であり、「球磨(くま)」や「熊本」から生まれた実りであることに由来球磨(くま)は球を磨くと書き、地球を磨く、地球を汚さない、綺麗にするとの願いも込められている

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