微生物応用技術研究所研究報告集 第11巻 平成19年度 p.53-58
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学生研究レポート


4.有機質資材の違いがネギ'ホワイトスター'の生育、収量および品質におよぼす影響

石井慎也†・横田克長(自然農法大学校:† 平成19年度 本科2年生)

自然農法のネギ栽培において、元肥と追肥に堆肥や培養土などが使われる。堆肥や培養土は製造段階で何度も切り返しをしなければならず、機械がなければ量を作ることもできない上に、比重が重く、量を使う場合は、畑に散布するのに大きな労力になり、特に高齢の生産者には負担が大きい。また、一般的な栽培技術として、ワラ等を被覆する方法があるが、この利点としては、「通気性が良くなり病気になりにくくなる」「軟らかくなり食味が良くなる」と言われている。その上、堆肥を作らなくても有機物を土に入れることが出来るので、労力の軽減に繋がる。なお、これは自然農法の観点からすると、「被覆することは土を裸にせず、土を軟らかくする」ことになる。以上のことを踏まえて、ネギ栽培において労力の軽減と品質の向上を目標とした技術の確立が必要であると考えられ、本試験では、追肥に質量が軽く、養分を多く含む米糠や菜種油粕(油粕)を使い、品質の向上を目的として、敷草による被覆を行い、生育、収量および品質におよぼす影響について調査した。