微生物応用技術研究所研究報告集 第9巻 平成17年度 p.41-51
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原著論文


3.ソバがら、ソバ粉を原料に含むコンポストの施用が圃場環境下のコマツナと雑草の生育に与える影響

加藤孝太郎1・三浦伸章1・三山晋2・勝倉光徳2(1 財団法人微生物応用技術研究所 2 NPO法人MOA自然農法文化事業団)

牛ふん-ソバがらコンポスト、ソバがら-モミがらコンポスト、牛ふん-モミがらコンポストを製造して供試コンポストとした。コンポスト中の化学成分は、牛ふん-ソバがらコンポストと牛ふん-モミがらコンポストではほぼ同等であったが、ソバがら-モミがらコンポストは窒素および塩基含量、pHが低かった。コンポストの施用によるコマツナの生育促進効果は認められたが、牛ふん-ソバがらコンポストとソバがら-モミがらコンポストでは、牛ふん-モミがらコンポストより有意に小さくなった。コンポスト施用区では、12~18種類の雑草の発生が確認された。すべての処理区で、メヒシバ(Digitaria ciliaris)の発生が最も多かった。メヒシバの初期生育は、牛ふん-ソバがらコンポストとソバがら-モミがらコンポストで抑制される傾向が認められた。イヌビユ(Amaranthus lividus)、エノコログサ(Setaria virides)、オオニシキソウ(Euphorbia maculata)、ドジョウツナギ(Glyceria ischyroneura)は、牛ふん-モミがらコンポスト施用区では発生しなかった。発生雑草の個体数および乾物重の二元分散分析の結果、雑草の種類では有意差があったが、施用資材間では有意差は認められなかった。発生雑草の個体数および乾物重のクラスター分析の結果、施用コンポストの違いで発生雑草の種類や個体数が異なることが示唆された。

キーワード:コンポスト、ソバがらとソバ粉、牛糞、モミがら、コマツナ、雑草