微生物応用技術研究所研究報告集 第7巻 平成15年度 p.19-29
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ミニレビュー


2.堆肥による植物病害の防除

仁王以智夫(財団法人微生物応用技術研究所・東京農業大学総合研究所)

堆肥による植物病害防除効果には、当然のこととして上記の各効果によって土壌条件が改良され、植物が健全に生長するという間接的な効果が含まれる。しかし一方では、最近になって堆肥には病原菌を直接制御する効果があることが知られるようになった。欧米で堆肥の病害防除効果が注目されるようになったのは1980年代になってからのことで、主に農産物のコストを引き下げる必要性および農薬による環境汚染や食品の化学汚染が問題となるにつれて化学農業に代わる技術開発の必要性から生じたものである。本総説では、主として堆肥による土壌伝染性病害の防除に焦点をあてて、一連の研究成果を紹介する。

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